障害年金は、ほぼ全ての病気や怪我が対象となる大切な所得補償
障害年金は、老齢年金や遺族年金と同じ公的年金(国の年金)です。
先天性の障害や、病気や怪我で一定の障害が残った場合はもちろん、うつ病や統合失調症などの精神疾患、脳梗塞や脳出血など脳血管障害による肢体の機能障害や高次脳機能障害、心疾患や腎疾患などの内科疾患、がん、難病など、ほぼ全ての疾患が対象で、長期にわたる治療や療養のため仕事や日常生活に困難がある場合に、一定の要件を満たせば受給できます。
「障害者年金」と誤って認識されているケースも多く見受けられますが、正しくは「障害年金」です。
ここでいう「障害」とは、「病気や怪我により、仕事や日常生活に障害がある状態」をいい、その障害の状態の程度により、受給できるかどうか、また、受給できる場合は何級になるかが決まります。
障害年金を受給するためにはいくつかの要件がありますが、基本的に、20歳以上の全ての方が対象です。
請求自体は65歳になると一部できない場合があるなど、一定の年齢制限があります。
障害基礎年金
初診日に国民年金に加入していた場合、20歳前に初診日がある場合(20歳前の厚生年金加入期間に初診日がある場合は除く)、過去に国民年金に加入していた人で、60歳から65歳の誕生日の前々日までに初診日がある場合は、障害基礎年金の対象となります。
障害基礎年金は、1級か2級の障害等級に該当する場合のみ支給されます。3級または障害手当金に該当する障害の状態の場合は支給されません。
なお、障害基礎年金を受給される方により生計を維持される、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子がいるときは、子の加算額があります。
障害厚生年金
初診日に厚生年金保険(一元化前の共済年金を含む)に加入していた場合に、障害厚生年金の対象となります。
障害厚生年金には、1級から3級までの年金と、一時金である障害手当金があります。障害等級が1級か2級の場合は、障害基礎年金に上乗せされるかたちでの支給となります。3級に該当する場合、障害基礎年金部分の支給はありません。
障害等級が1級か2級に該当する場合で、障害年金を受給する方により生計を維持される配偶者がいるときは、障害厚生年金部分に配偶者の加給年金額が加算されるほか、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子がいるときは、障害基礎年金部分に子の加算額があります。(※)
※ 配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者の加給年金額は支給停止されます。
障害手当金とは
障害手当金とは、初診日から5年以内に症状が固定し、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給される一時金で、前記のとおり、厚生年金保険加入中に初診日がある場合が対象です。
金額は、3級の障害厚生年金額の2年分ですが、最低保障額に満たない場合は、最低保障額(令和5年度額は1,192,600円)が支給されます。